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AI時代のナレッジ管理

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最終更新日

これをしようと思った背景

  • エンジニアとしての日々の情報収集で得た本質的な洞察根幹に関わる知見AI時代の普遍的な考え方などを、ワンショットで消費せずにマークダウンとして体系的に蓄積し、CursorとAIエージェント(Claude Code等)と組み合わせることで、様々なアウトプットに活用でき可能性が広がる
  • わざわざ1つ1つを取り上げてコンテンツを作るほどでもないが、今後重要になる考えや知識なのでうまく管理できないかなと長年考えていたのだが、いい方法が見つかったのでこれを共有したい
  • AI時代に入ってからキャッチアップのスピードが求められ、情報量も多いので自分の脳のメモリ上ではなかなか限界がある
  • AIエージェントを使えば、ナレッジの追加も簡単(カスタムコマンド)

プロジェクト構成

  • ファイル形式: Markdown(AIツールとの親和性)
  • AIツール: Cursor、Claude Code、MCPサーバー等
  • ストレージ: Google Drive(クラウド上に保存することで他のMCPやAIツールとの連携を容易にする)
  • バージョン管理: Git(変更履歴の追跡)
memory/
├── AIコーディング/・・・md
├── AIとの向き合い方/・・・md
├── AIの倫理観/・・・md
├── AIモデル/・・・md
├── AI時代のプロダクト開発/・・・md
└── OpenAI/・・・md

ナレッジをどのように活用している(できる)か

1. 登壇・プレゼンテーション支援

メリット

  • スライド作成の効率化: 蓄積された知見を元に、AIが文脈に沿ったスライドコンテンツを生成
  • 出典管理の効率化: マークダウンに記録した情報源を正確に引用・参照
  • 一貫性のあるメッセージング: 自分の過去の洞察と整合性のある主張を展開できる

ユースケース

「AI時代のプロダクト開発」というテーマで30分の登壇資料を作成:
→ memory/AI時代のプロダクト開発/ 配下の知見を参照
→ AIがマークダウンファイルからスライドを生成
→ 出典情報もすぐに付与できる

2. 開発の効率化

メリット

  • ベストプラクティスの参照: MCPサーバー開発などの技術的なベストプラクティス、ノウハウを即座に参照可能

ユースケース

新しいMCPサーバーを開発する際:
→ 過去のMCP開発ナレッジを参照
→ ベストプラクティスに沿った効率的な開発が可能

3. コンテンツ制作の強化

メリット

  • ブログ記事、動画コンテンツの質向上: 蓄積された知見を基に、深みのある記事を執筆
  • 一貫したブランディング: ナレッジから権威や信頼性を享受しつつ、自分の思想や価値観が反映されたコンテンツを継続的に生産できる

ユースケース

「AIコーディングのベストプラクティス」というブログ記事を執筆:
→ memory/AIコーディング/ 配下の知見を統合
→ 実体験に基づいた具体例を含む記事を生成
→ 専門性と独自性の高いコンテンツが完成

4. 知識共有がすぐに可能

メリット

  • オンボーディングの効率化: 新メンバーが同水準の知見に素早くアクセス
  • 集合知の構築: 複数人の知見を統合し、組織レベルの知識基盤を形成

ユースケース

チームで「プロダクト開発プロセス」を標準化:
→ 個人のナレッジベースにチームメンバーの知見を追加
→ 組織全体で参照できる標準ドキュメントが完成

成功のためのベストプラクティス

1. 記録のタイミング

  • 即座に記録: 日々情報収集している内容のうち、長期的なナレッジとして蓄積したほうがいいと判断したものは即座に追加する
    • 追加時はClaude Codeのカスタムコマンド「add-memory.md」($ARGUMENTSの内容をマークダウンファイルとして構造化、整理してmemoryに追加して、と書いてあるだけ)を実行するだけですぐに追加可能

ちなみに、以下のようにAI使って情報をどこにアウトプットするか管理している

アウトプット先の決定結果

Ex. 対象のテーマ: AIエージェント使うときはこれまでのweb開発と違って「トークンの入出力の最適化」が非機能要件とかになりそう

No.

アウトプット先

判定

1

Xでポスト

✅ する

2

所属企業で発信

✅ する

3

ナレッジ(brain work space)として蓄積

✅ する

4

NotebookでPodcast作成

❌ しない

5

ブログ記事作成

❌ しない

6

YOUTUBE動画作成

❌ しない

2. 記録の質

  • 自分の言葉で: コピペではなく、理解した内容を自分の言葉で記述
  • 文脈を残す: なぜこれが重要か、どう活用できるかを記載
  • 出典を明記: X投稿、ブログ記事、書籍など、必ず情報源を記録

想定される課題と対策

課題1: 継続のモチベーション維持

対策:

  • 知識を活用した成果物を作成(ブログ記事、登壇など)

課題2: 情報の重複や矛盾

対策:

  • 矛盾を発見したら、統合または明示的に記録
  • AIを使って重複チェック

課題3: 検索性の低下(エントリ増加に伴い)

対策:

  • ファイル名を検索しやすい形式に(例: YYYY-MM-DD_トピック名.md

まとめ

この知識管理システムは、単なる情報の保存庫ではなく、思考の外部化知的生産性の増幅装置である。

核心的価値

  1. 時間の複利効果: 一度記録した知見が、何度も再利用され、価値を生み続ける
  2. AIとの共創: 人間の洞察とAIの処理能力を組み合わせ、単独では不可能なアウトプットを実現
  3. 長期的成長: キャリアを通じて蓄積される、かけがえのない知的資産

このシステムを通じて、知識を力に変えるサイクルを回し続けることが、エンジニアとしての持続的な成長につながる。